現在、当社では建築仕上げスタッフ(左官)を募集しています。
左官は技術を必要とする仕事ですが、当社では未経験の方も対象とし、ぜひこの素晴らしい伝統技能を身につけていただきたいと考えています。
そこで本記事では、代表と、西江・大賀2人のベテラン職人が、左官の仕事の実際と、始めたばかりの時期に多くの人が直面する悩みや戸惑い、そしてその後どのように働き方が変わっていくのかを明らかにしていきました。
左官という仕事について

左官の仕事を紹介
左官は、住宅や店舗などの建物の壁や床に材料を塗り、表面を整えて仕上げる仕事です。
セメントや砂、土などを配合した材料を「コテ」という道具で塗り広げ、凹凸のある下地を平らに整えたり、質感や模様をつけたりしながら、建物の最終的な印象を形づくっていきます。
新築工事やリフォームの現場において、見た目の美しさだけでなく、使い心地や耐久性にも関わる重要な工程を担っています。
未経験からの仕事の覚え方

未経験の方は、材料運びや清掃、道具の準備といった、現場を支える仕事から始めていきます。
現場では、材料の種類や扱い方、道具の名前や使い方など、覚えることが多くあります。そのため、最初の段階では「段取りを知ること」「作業の流れをつかむこと」を大切にしながら、先輩の作業を間近で見て学んでいきます。
塗り作業に入る前にも、下地を整える補助作業や、材料を練る工程など、少しずつ手を動かしながら身につけていきます。できることを一つずつ増やしながら、仕事に慣れていきます。
3年後に目指す姿とこの仕事のやりがい

経験を重ねると、現場の流れが理解できるようになり、作業の段取りも少しずつ組み立てられるようになります。目安としては3年ほどで一通りの工程を理解し、難易度の高くない現場であれば、自分で進め方を考えながら担当できるようになることを目指します。
自分の手で仕上げた部分が形として残り、仕上がりの良し悪しが目に見えて分かるのが、この仕事の特徴です。任されることには緊張もありますが、それ以上に、自分の仕事を誇れる瞬間でもあります。
技術が上がるほど、より美しい仕上がりを目指せるようになり、それが仕事の面白さや達成感につながっていきます。
最初の2年とどう向き合うか

3年ほどで一通りの作業ができることを目指していくとはいえ、その道のりは決して平坦ではありません。特に最初の2年くらいは、思うようにできないことが続き、戸惑いや苦しさを感じる場面が多いと現役の職人も話します。
ここでは、左官の仕事を始めたばかりの人が感じやすい現実と、その乗り越え方について、代表と2人のベテラン職人に、最初の時期の実際について聞きました。
Q. 最初の2年はどのような時期でしたか。
――代表
最初の2年はわからないことが多く、苦しかったことを覚えています。職人になったばかりの頃は、「早く一人で任されるようになりたい」と思いながら、思うようにできない時期がありました。
――西江
私も同じです。何をしても注意されているように感じることがありました。何もしなければ叱られますし、何かをしても「そこは違う」と言われる。そういう時期は、誰にでもあると思います。
――大賀
私はあまり口に出すタイプではなかったので、ただ我慢していた時期もあったと思います。うまくいかなくても相談することは少なく、自分の中でなんとなく解消していました。

Q. それでも続けられた理由は何ですか。
――西江
最初の頃は、続けられるかどうかを考える余裕もなく、目の前のことを一つずつやるしかありませんでした。その中で、少しずつ材料や道具をうまく扱えるようになったことや、現場でほめてもらえたことなど、小さな変化がありました。先輩がみんな忙しいときに、他社の職人さんが仕事のやり方を教えてくれたこともあります。何度も現場で顔を合わせるうちに、声をかけてもらえるようにもなっていきました。そうした積み重ねが、「もう少しやってみよう」という気持ちにつながりました。
――大賀
私は辞めることを最初から考えていませんでした。大変なこともたくさんあったけれど、仕上がったものを見れば簡単ではないことはわかったので、この仕事はコツコツやるしかないと感じていたんです。毎日現場に行って仕事を続けていたら、できることが増えていたというのが本音です。
――代表
モチベーションの持ち方やタイプは違いますが、今では安心して現場を任せられる2人も、最初はゼロからのスタートでした。わからないことは必ず聞いてくれましたし、私が現場にいないときでも、その日にあったことなどは都度報告してくれました。それぞれ小さな積み重ねを続けてきた結果、今があるのだと思います。
Q. 一人で任されるようになると、何が変わりますか。
――代表
一人で現場を任されるようになると、「教えてもらう側」から「進め方を考える側」へと立場が変わります。もちろん全てを丸投げされるのではなく、1人で判断しきれないことについては、私や他の職人と連絡を取りながら進めます。ただ自分の段取りで現場を動かす感覚は、それまでとは大きく違います。
――西江
現場を任せてもらえるようになると、自分で工程を考え、自分で仕上げた部分が形として残ります。うまくいかなかったときも、自分の判断を振り返ることができます。その積み重ねが、やりがいや楽しさにつながっていくのだと思います。
仕事が充実すると、人生も広がっていきます

Q. 仕事と人生は、どのようにつながっていきましたか。
――代表
現場を任されるようになると、お客様や関連する業者の方など、地域の方とのつながりが増えていきました。その後左官として独立してからは、より多くの方々と出会い、信頼関係を積み重ねながら仕事を続けてきました。仕事を通じて築いてきたご縁や経験が土台となり、後にバイクショップ「プレジャーワークス」を立ち上げることにもつながりました。
一見すると全く別の分野のようですが、どちらも地域の中で人とのつながりを大切にしてきた延長にあります。「早く一人前になりたい」と、左官の仕事に必死で向き合ってきた時間が、今の活動や人との縁の基盤になっています。
――西江
私の場合は左官の仕事を続け、技術を磨いてきたことで生活が安定し、家族との時間を楽しめるようになりました。技術が向上すると、自分の働き方を組み立てられるようになります。仕事が充実してくると、人生全体が整っていく感覚があります。
――代表
当社では、仕事だけを優先する働き方を求めているわけではありません。けれど仕事の時間も一日の大切な一部です。最初は「この仕事が本当に自分に向いているかわからない」と思っていても、仕事をしている時間、強さも弱さも含めて自分に真剣に向き合うことで、プライベートの時間もより豊かになっていくのではないかと考えています。
未来がわからないままではなく、地図を持って進んでほしい

左官の仕事は、決して簡単ではありません。最初の数年は、思うようにいかないこともあります。けれど、その道のりを越えてきた人が、当社にはいます。
最初の2年は小さな工夫を重ね、できることを一つずつ増やしていく時間です。その先には自分の段取りで現場を動かし、仕上がりを誇れる瞬間があります。
簡単ではありませんが、私たちはどのような道のりなのかを正直にお伝えしたいと思っています。
未経験の方も、経験のある方も、まずは話を聞いてみてください。
未来の働き方や自分の将来など、地図を持ったうえで、この道を選んでいただければと思います。
興味を持ってくださった方は、ぜひ職場見学においでください。
一緒に歩める方との出会いを、心からお待ちしています。